あずさ自身のこと

他人のいない世界の変貌について。

(厳密な意味での)他人のいない世界、他人がすべてNPCであり、自分がなにかしないかぎり自分と関係ない世界で自分と関係ない生活を営んでいるはずの世界に住んでいたという話をしました。その世界が多少なりとも変貌をとげたのが、10歳ごろであるとも。 …

他人のいない世界のこと。

10歳ごろまでのわたしの世界には、他人がいませんでした。 ネグレクトとかではないですよ。人間はいましたし、大事にされていたと思います。厳密な意味での他人=自分と同格のひとたち、です。親族を含めて。 ◆ 自分と同格でないというならなんだったのか。…

うつだった15年間のこと。

すこし昔のこと。 わたし、20代後半から30代にかけて15年くらい、うつだったんですよね。うつ病と言ってもいいんですけれど、専門用語としては本来はうつ病とちょっと違うので、そのへんは謎の専門家的こだわりを発揮して「うつ」としておきます。遺伝的な問…

自分の中の他人の目について。

「離見の見」という言葉があります。演劇などで、観客の目で自分を見ましょう、という意味です。自分が観客であったら、いま舞台にいる自分はどう見えるか。それを意識しながら演じましょう、ということですね。 これね。定型の人であれば、普段からある程度…

問題を分解してフローチャート化する ーASDって治るんですか(4)

A「自分は有名になる、有名になってこそ名が残り人生に意味がある」 B(反対の意を遠回しに伝えるも伝わらず) A「自分の父親は凡人で、有名にもならず名も残していない。彼の人生には意味がない」 B「有名にならない人にも有意義な人生を送った人はいるんじ…

わたしは正しい、正確だ、の問題点について。

ASDの人は無礼だとかなんとか言われることがあります。わたし、ASDですとカミングアウトして、「そうかキミは失礼な言動をするやつなんだね」という反応をされたことが何度もあります。何も言ってないうちに、です。 偏見だ! というのはそうなんですけど。…

ギフテッドになりたかったなとか。

ギフテッドへのあこがれがあります。いまでも。って、わたしのこどものころはそんな概念はなかったわけですけれども、なんていうか、才能を認められて英才教育に組み込まれるみたいなこと、こどものころから夢見ていたなとか。 ◆ わたし、知能検査の中でVC(…

やればできる、といいな、とか。

やればできる、というのは、わたしにとっては残酷なことばです。やってもできないことが、とても多いのです。しかも、「まさか」と言われるようなことが、いくらやってもできない。できない、と信じてもらえないものだから、明るく励まされたり努力をうなが…

自分的常識とか自分的前提とか。

自分的常識とか自分的前提とかときどき言います。「自分的」なものであると気づいたのは数年前で、それまでは人類にとって普遍的な常識あるいは前提だと思っていました。思うどころじゃありません。そこにコップがある、足元に地面がある、というレベルの「…

本能と論理、あずさの場合。

あいさつは、あいさつという掟なんだから、ひとまず従っておきましょうよ、なんて言うと、それがあずさの道徳の欠如だとか、あずさは人間味を欠いているとか怒られたりします。人間なはずなんですけど、それはさておき。 ◆ あいさつは、共同体の掟にすぎない…

ありがとうはわかる、ごめんなさいはわからない?

自分で自分について不思議だったことがあります。「ありがとう」の意味および用法はとくに言語化の努力もせずだいたい正しくマスターしているのに対して、「ごめんなさい」は全力で言語化してやっと理解できる。 また、こういうのもあります: ケース1 Aさ…

相対評価、絶対評価。

たとえば、今回のテストで、わたしの点数が70点、Aさんの点数が70点だったとしましょう。さて、次のテスト。 ・わたしの点数が90点、Aさんの点数が70点 → 嬉しい まあ、そうですよね。これは理解していただけると思います。これはどうでしょう。 …

それでも何かをしてあげたい、として。

たとえば泣いているこどもがいたとして、多数派の人は、「自動的に」こころが動き、「こころから」何かをしてあげる、またその際に、最善の行動を「自動的に」選ぶことが可能なのだろうと推測しています。しかしわたしは、その「自動」が働かない。そんなプ…

それは失礼だ! についての考察。

「目上に失礼」って怒られることはよくあるんです。そのいっぽうで、「目下に平等」と言われることもあります。どっちも、コメントに値する、つまり、ふつうではない、ってことですよね。100%ふつうであれば、コメントはしないわけですから。 ここでちょ…

あずさの、アスペ的ふりかえり。

わたしの歴史?みたいなものは、たぶんアスペとものすごく関連しているので、少しお話したいと思います。小学校5年生くらいまでは、アスペが強すぎてトラブルに気づけないことと、何でもかんでも全肯定する父親のおかげで、悪い思い出はほとんどありません…

あずさの父親のこと。父親からみたあずさが、自分の分身であったこと。

わたしのこども時代のお話を、何度か書いてきました。そのなかに、父親がしばしば登場していることにお気づきの方も多いかと思います。父は、未診断ながらまず間違いなくアスペだろうとわたしは考えています。ほぼ全肯定で育ててくれました。中学校に上がる…

アスペについての精神病理8。納得できる・納得したい。

アスペについての精神病理7。他人のいない世界というのはどういうこと? - 精神科医的ひとりごと(仮) のつづきです。納得へのこだわり、ですね。自分で考えて納得してはじめて行動できる、自分の言葉で納得できるまで考え続ける、みたいなことの根底にあ…

アスペについての精神病理7。他人のいない世界というのはどういうこと?

アスペはものと人との区別がついていないとか、他人を他人と思っていない(傍若無人ってことですね)とか、いろいろさんざんな言われ方をすることがあります。たしかにわたしはドアにぶつかったらドアに謝ったりしますけれども、そこまで言われる筋合いはな…

アスペについての精神病理6。不意打ちおよびそのダメージについて。

予定外にとにかく弱いんです、わたし。調子が悪くなってくると、夫と外食してその帰りにコンビニに寄ると言われただけで混乱します。郵便受けが開けられなくなります。どういう郵便物が入っているかわからないからだと思います。 これ、前回の「ボトムアップ…

アスペについての精神病理5。あずさにとっての学習とは。

人間関係から、少し離れます。学習についてです。 「アスペの学習/認知はボトムアップだ」と、いろんなところに書いてあるのです。どういうことなんだろうとずっと不思議だったんですよね。なぜ、はともかくとして、起きていることおよび多数派との違いが少…

アスペについての精神病理4。共感と論理の和は一定らしい?

共感とは、相手の気持ちを読み取ることに加えて、読み取った気持ちに自動的に反応してこちらの感情が動いてしまうことである、と先日読んだ本に書いてありました。「共感?いちおう気持ちは読み取れるというか理解はできるつもりだから、アスペのなかでも共…

アスペについての精神病理3。ありがちやりとりが苦手なことと、アスペ的誠実さについて。

あずさの対人関係を、アスペについての先人の考察を参照しつつ分析していきます。 前々回および前回の記事の結論としては、 他人の視線(他人が自分について何か思うところがある、ということ)が感じられない 自分自身を観察する自分、というものが発達しな…

アスペについての精神病理2。空気が読めないことの分析。あずさ自身を症例として。

前回の記事で、アスペの子どもにとっては「自分を見ている他人、自分をどうこうしようと思っている他人」を意識するのが難しいということをとりあげました。(全員とは限りません。あずさを例としてとりあげ、あずさがアスペの典型だという仮定に基づき「ア…

思いやりということばに対する恐怖について。

思いやり、ということばが怖いです。いまでも。 「思いやりがない」と怒られることが何度もありました。相手の都合を考えない、自分の都合ばかり主張する、と。「彼(彼女)の立場ならどう思うの」と聞かれて自分の考えを述べると、真面目に考えて正直に答え…

あずさのこと。空気の正体とあずさのつまづきポイント。仮説です。

「自分がされたらどう思うの!!」についてです。幼稚園児あずさは、「真面目に考えて」放っておいてほしいです、と答え、ますます怒られることになりました。 さて、ここでの模範解答は何でしょう? って、わたしが答えようとすると単なる推測になります(…

あずさのこと。泣いている子どもとサリー・アンの課題。

人前で泣いてはならない、と教わっていた、と前の記事で書きました。 あずさのこと。人前で泣いてはならない、という教えについて。 - 精神科医的ひとりごと(仮) 父親が泣いている子どもなり女性なりを目にしたときに、それが単に泣いているのか他人を操作…

あずさのこと。人前で泣いてはならない、という教えについて。

わたしはこどものころ、「人前で泣いてはならない」と教わりました。「人前では泣いてはならない。多くの女性は、自分の希望を通すために泣いてみせる。それは、言語による交渉を飛ばして自分の要求を無理に通すという卑怯な行為である。あずさが泣いたら、…

あずさが、脅迫および操作のターゲットとして選定された要因。他人はわたしについて、なにを思っているのか。

「相手自身をネタにした脅迫によって、相手の言いなりに行動することになってしまった」件について、数回にわたって書いてきました。 わたしがターゲットとして選ばれた理由について少し考えてみます。 隠された脅迫に応じてしまいやすい人の特徴。論理が自…

自分の意に反して相手の言いなりになってしまうことについての二次被害について。

わたし自身の話をしましょう。 とある職場の先輩の、言いなりになっていた時期があるのです。半年くらい続きました。一つだけ例を挙げると、彼の思いつきを論文のスタイルに書き上げるという作業を3ヶ月で終わらせ、和文とはいえ業界の一流雑誌に投稿・受理…

選択の自由とか相手自身をネタにした脅迫とか、自分の意志が行方不明になってしまうトリックとか。

最近ずっと悩んでいたことに解決のきざしが見えてきたので、自分のためもかねて書いてみます。といっても事情を説明すると長くなるので、例でお話ししますね。 太郎くんと花子ちゃんがいて、チーズケーキとアップルパイが1個ずつあるとしましょう。太郎くん…