場違いとか空気とか

自分の知らない絶対的なルールがあるという無力感について。

先生が多数派で、生徒がASDの場合、そのASDの生徒はしんどい目にあいそうです。論理が苦手で、感情豊かな先生であればなおのことでしょう。以下、わたしの過去からの分析です。 ◆ 多数派の先生としては、立場が上である先生が喜ぶから、あるいは、先生が怒っ…

悪意とかいじわるとかとASDについて。

ASDの人には、悪意とかいじわるとかの意図が持てない人がいる と書いて、ものすごく怒られたことがあるんです。ツイッターをやめた理由のひとつはこれでした。なので少し怖いのですけれど、考えが進んだので書いてみます。 ◆ 相手がわるい目にあうことについ…

支援する側の事情を想像する。

理由と根拠を明確に、手順を具体的に教えてもらえば「できる」ことが増えるASDの人は、わたしを含めてそれなりの数いると思います。 サンドイッチ作っといて では混乱するとしても、 たまごサンドを2個作っといて、レシピはここにあるよ であれば、上手にで…

表情と感情が伝染してたぶん空気をつくる件

共感についての話、つづき。反射的な共感と表情の伝染についてです。例によって、ざっくりと。 要点:表情と感情は伝染する 相手が笑っていれば自分も笑う、相手が嬉しそうにしていれば自分も嬉しくなる、みたいなことです。わざわざ、ではなく、自動的に。…

自分の中の他人の目について。

「離見の見」という言葉があります。演劇などで、観客の目で自分を見ましょう、という意味です。自分が観客であったら、いま舞台にいる自分はどう見えるか。それを意識しながら演じましょう、ということですね。 これね。定型の人であれば、普段からある程度…

相対評価、絶対評価。

たとえば、今回のテストで、わたしの点数が70点、Aさんの点数が70点だったとしましょう。さて、次のテスト。 ・わたしの点数が90点、Aさんの点数が70点 → 嬉しい まあ、そうですよね。これは理解していただけると思います。これはどうでしょう。 …

それでも何かをしてあげたい、として。

たとえば泣いているこどもがいたとして、多数派の人は、「自動的に」こころが動き、「こころから」何かをしてあげる、またその際に、最善の行動を「自動的に」選ぶことが可能なのだろうと推測しています。しかしわたしは、その「自動」が働かない。そんなプ…

言わぬが花、の正体は?

隣の家の大学生が夜中まで音楽をかけていて迷惑だな、と思っているとしましょう。「夜中は静かにしてください」と言いました。でも効果なし。さて次の日。 「うちには、小さいこどもがいるんです」 と言いに行くのが定型の人だと聞きました。 「うちには、小…

責任を引き受けるのは当然という美意識のこと。

わたし、忖度ということばを目にするたびにイライラします。 これ、ふと思ったんですけど、ASDの(全員じゃないだろうけど)患者さんたちが病棟のルールに納得できないとき、たとえば「それはわたしが決めることで、わたしはそれを許可しない。だからダメ…

それは失礼だ! についての考察。

「目上に失礼」って怒られることはよくあるんです。そのいっぽうで、「目下に平等」と言われることもあります。どっちも、コメントに値する、つまり、ふつうではない、ってことですよね。100%ふつうであれば、コメントはしないわけですから。 ここでちょ…

アスペについての精神病理9。自分はどこにいるのか、わかってる?

以前、わたしには「他人の視線を感知する能力」が低く、その結果、他人の視線の集大成である「自分自身を観察する自分」がいない、というお話をしました。その結果、空気が読めないというストーリーでした。 アスペについての精神病理2。空気が読めないこと…

上下関係、命令、組織。

昔話です。 先輩「なんで俺の言うこと聞けないの」あずさ「言われた指示はすべて実行したではないですか」先輩「全部いちいち理由を聞いたでしょ」あずさ「聞きましたよ。納得してから実行したいですもの」先輩「それ、言うこと聞いてるって言わないから!」…

アスペについての精神病理7。他人のいない世界というのはどういうこと?

アスペはものと人との区別がついていないとか、他人を他人と思っていない(傍若無人ってことですね)とか、いろいろさんざんな言われ方をすることがあります。たしかにわたしはドアにぶつかったらドアに謝ったりしますけれども、そこまで言われる筋合いはな…

アスペについての精神病理3。ありがちやりとりが苦手なことと、アスペ的誠実さについて。

あずさの対人関係を、アスペについての先人の考察を参照しつつ分析していきます。 前々回および前回の記事の結論としては、 他人の視線(他人が自分について何か思うところがある、ということ)が感じられない 自分自身を観察する自分、というものが発達しな…

アスペについての精神病理2。空気が読めないことの分析。あずさ自身を症例として。

前回の記事で、アスペの子どもにとっては「自分を見ている他人、自分をどうこうしようと思っている他人」を意識するのが難しいということをとりあげました。(全員とは限りません。あずさを例としてとりあげ、あずさがアスペの典型だという仮定に基づき「ア…

思いやりということばに対する恐怖について。

思いやり、ということばが怖いです。いまでも。 「思いやりがない」と怒られることが何度もありました。相手の都合を考えない、自分の都合ばかり主張する、と。「彼(彼女)の立場ならどう思うの」と聞かれて自分の考えを述べると、真面目に考えて正直に答え…

空気の成立と、あずさがその空気を扱いかねる理由。

空気の話、続きます。 前回、空気の成立について仮説を提示しました。この仮説にもとづき、あずさが「なぜ」空気を読めないのかという分析をしてみます。アスペ全員とは限りません。あずさ自身のことです。関連記事↓ あずさのこと。泣いている子どもとサリー…

多数派の行動は、おたがい予測できるからおたがい安心できる、ということなのかもしれない。

空気シリーズ? 続きます。 これまでは、泣いている子どもとあずさ、この2人が登場人物でした。 あずさのこと。空気の正体とあずさのつまづきポイント。仮説です。 - 精神科医的ひとりごと(仮) 前回の結論は、大多数の人々に関して 行動しなければならない…

あずさのこと。空気の正体とあずさのつまづきポイント。仮説です。

「自分がされたらどう思うの!!」についてです。幼稚園児あずさは、「真面目に考えて」放っておいてほしいです、と答え、ますます怒られることになりました。 さて、ここでの模範解答は何でしょう? って、わたしが答えようとすると単なる推測になります(…

あずさのこと。泣いている子どもとサリー・アンの課題。

人前で泣いてはならない、と教わっていた、と前の記事で書きました。 あずさのこと。人前で泣いてはならない、という教えについて。 - 精神科医的ひとりごと(仮) 父親が泣いている子どもなり女性なりを目にしたときに、それが単に泣いているのか他人を操作…

あずさのこと。人前で泣いてはならない、という教えについて。

わたしはこどものころ、「人前で泣いてはならない」と教わりました。「人前では泣いてはならない。多くの女性は、自分の希望を通すために泣いてみせる。それは、言語による交渉を飛ばして自分の要求を無理に通すという卑怯な行為である。あずさが泣いたら、…