アスペはともかく心理学

「マルチタスク」が意味するもの。

作動記憶(WM)が高いということはマルチタスクが得意なはず、マルチタスクが苦手なので作動記憶(WM)が低いんだと思います、とかいうじゃないですか。あれ、どうしてそう広まったんでしょうね。作動記憶(WM)は「頭の中の作業テーブル」であるというたと…

作動記憶(WM)と処理速度(PS)の関係について。

作動記憶(WM)と処理速度(PS)については、台所をたとえとして使うことがあります。 ・作動記憶(WM)→ コンロの数 ・処理速度(PS)→ 調理の速度 とします。 さて、料理をしましょう。味噌汁と炒めものを作るとします。 コンロが2つあれば、同時に作れば…

VC=言語理解について。

VC(言語理解)についてあらためて。WAIS-IIIです。 VC(言語理解)は、以下の3要素から成り立っています。 ・単語(単語の意味) ・類似(単語2つの共通点) ・知識(学校で習う知識とか、クイズに近い) どれも高いとかどれも低いとかがありそうな感じで…

知能検査からわかること ー苦労する組み合わせ

2021年、知能検査についての知識と経験は増えた気がします。 知能検査から、「苦労する組み合わせ」が見えることもあります。同じ「IQ100」でも、全体的に100なのと、得意不得意がはっきりしている場合とでは、後者のほうが苦労が多いという印象です。 苦労…

表情を真似るとよいことがありそうな件について

相手と同じ表情を自動的につくってしまうことが共感と関連しているとして、その相手がどうなるのか、という研究がいろいろあるようです。 Aさんが相手と同じ表情をつくったときの相手の変化 ・Aさんに対して親近感を持つ、好意的になる ・自分自身とAさんは…

表情と感情が伝染してたぶん空気をつくる件

共感についての話、つづき。反射的な共感と表情の伝染についてです。例によって、ざっくりと。 要点:表情と感情は伝染する 相手が笑っていれば自分も笑う、相手が嬉しそうにしていれば自分も嬉しくなる、みたいなことです。わざわざ、ではなく、自動的に。…

共感とは……いろいろあります。

共感について本を読み始めました。まず、共感とは何か。これが、8つもあるというんですね。混乱するのも無理はない。 1 相手の状態を知る(嬉しいとか悲しいとか怒っているとか) 2 相手の表情に反応して自分の表情が動く 3 相手が感じているのと同じよ…

知覚統合と問題解決能力 −知能検査について

WAIS-IIIに「知覚統合」ってありますよね。WAIS-IVでは「知覚推理」というようです。「知覚推理」のほうがわかりやすいような気もするのですけれど、ここでは、WAIS-IIIの用語を採用します。この「知覚統合」についてです。 何を知覚して何を統合するのか、…

ワーキングメモリのはたらき(3)情報をまとめる

ワーキングメモリとはいっぺんに考えられる範囲である、みたいなことを書きました。なので、ワーキングメモリが高い(広い? 大きい?)と、脳の中の検索範囲が広いので、思いつく範囲も大きくなるように思います。 便利そうですよね。 で、このワーキングメ…

感情労働が感情労働でありえるかどうか。

感情労働、ということばがあります。Wikiによれば、「感情が労働内容の不可欠な要素であり、かつ適切・不適切な感情がルール化されている労働のこと」とのことです。 たとえば、相手が、たんに機嫌が悪くて怒っていて、やつあたりをしてきたとしても、礼儀正…

努力ではなく工夫、というのはどういうことかというと。

昨日のツイート。いまできていないことがあるとして、どうするか。「がんばります」が答えになることってめったにないように思うんですよね。 「がんばります」「努力します」という発言に対しては、「もう十分努力してると思うから、これ以上の努力はせずに…

知能検査で計れるものその3。ディスクレパンシーと対策。VC>POの場合。

処理速度の説明は勉強が追いついていないのでいったん保留して、各項目の差について少し述べたいと思います。差のことをディスクレパンシーといいます。IQが全体的に高い場合、ディスクレパンシーはものすごく大きく出ることがあります。それはさておき。 い…

上下関係、命令、組織。

昔話です。 先輩「なんで俺の言うこと聞けないの」あずさ「言われた指示はすべて実行したではないですか」先輩「全部いちいち理由を聞いたでしょ」あずさ「聞きましたよ。納得してから実行したいですもの」先輩「それ、言うこと聞いてるって言わないから!」…

他人の選択肢を奪ったり罪悪感でコントロールしたりしないためには?

自分自身をネタにした脅迫について、以前の記事で書きました。 選択の自由とか相手自身をネタにした脅迫とか、自分の意志が行方不明になってしまうトリックとか。 - 精神科医的ひとりごと(仮) これね、脅迫される側に注目してましたよね。 チーズケーキの…

空気の成立と、あずさがその空気を扱いかねる理由。

空気の話、続きます。 前回、空気の成立について仮説を提示しました。この仮説にもとづき、あずさが「なぜ」空気を読めないのかという分析をしてみます。アスペ全員とは限りません。あずさ自身のことです。関連記事↓ あずさのこと。泣いている子どもとサリー…

多数派の行動は、おたがい予測できるからおたがい安心できる、ということなのかもしれない。

空気シリーズ? 続きます。 これまでは、泣いている子どもとあずさ、この2人が登場人物でした。 あずさのこと。空気の正体とあずさのつまづきポイント。仮説です。 - 精神科医的ひとりごと(仮) 前回の結論は、大多数の人々に関して 行動しなければならない…

あずさのこと。空気の正体とあずさのつまづきポイント。仮説です。

「自分がされたらどう思うの!!」についてです。幼稚園児あずさは、「真面目に考えて」放っておいてほしいです、と答え、ますます怒られることになりました。 さて、ここでの模範解答は何でしょう? って、わたしが答えようとすると単なる推測になります(…

あずさのこと。泣いている子どもとサリー・アンの課題。

人前で泣いてはならない、と教わっていた、と前の記事で書きました。 あずさのこと。人前で泣いてはならない、という教えについて。 - 精神科医的ひとりごと(仮) 父親が泣いている子どもなり女性なりを目にしたときに、それが単に泣いているのか他人を操作…

あずさのこと。人前で泣いてはならない、という教えについて。

わたしはこどものころ、「人前で泣いてはならない」と教わりました。「人前では泣いてはならない。多くの女性は、自分の希望を通すために泣いてみせる。それは、言語による交渉を飛ばして自分の要求を無理に通すという卑怯な行為である。あずさが泣いたら、…

あずさが、脅迫および操作のターゲットとして選定された要因。他人はわたしについて、なにを思っているのか。

「相手自身をネタにした脅迫によって、相手の言いなりに行動することになってしまった」件について、数回にわたって書いてきました。 わたしがターゲットとして選ばれた理由について少し考えてみます。 隠された脅迫に応じてしまいやすい人の特徴。論理が自…

自分の意に反して相手の言いなりになってしまうことについての二次被害について。

わたし自身の話をしましょう。 とある職場の先輩の、言いなりになっていた時期があるのです。半年くらい続きました。一つだけ例を挙げると、彼の思いつきを論文のスタイルに書き上げるという作業を3ヶ月で終わらせ、和文とはいえ業界の一流雑誌に投稿・受理…

親切にしてあげることと、罪悪感から相手に尽くすことの違いについて。

太郎くんが「精神状態の悪い自分が、3日間くらい寝込むかもしれない」と主張することで、自分の食べたいチーズケーキを花子ちゃんから奪ってしまうお話の続きです。 選択の自由とか自分をネタにした脅迫とか、自分の意志が行方不明になってしまうトリックと…

選択の自由が奪われていることについての責任を、正しい場所に返すということ。

太郎くんが「精神状態の悪い自分が、3日間くらい寝込むかもしれない」と主張することで、自分の食べたいチーズケーキを花子ちゃんから奪ってしまうお話の続きです。 選択の自由とか自分をネタにした脅迫とか、自分の意志が行方不明になってしまうトリックと…

隠された脅迫に応じてしまいやすい人の特徴。論理が自分の役に立たないケース。

前回、太郎くんが「精神状態が悪い自分が、3日間くらい寝込むかもしれない」と主張することで、自分のほしいチーズケーキを花子ちゃんから奪ってしまうお話を書きました。 選択の自由とか自分をネタにした脅迫とか、自分の意志が行方不明になってしまうトリ…

選択の自由とか相手自身をネタにした脅迫とか、自分の意志が行方不明になってしまうトリックとか。

最近ずっと悩んでいたことに解決のきざしが見えてきたので、自分のためもかねて書いてみます。といっても事情を説明すると長くなるので、例でお話ししますね。 太郎くんと花子ちゃんがいて、チーズケーキとアップルパイが1個ずつあるとしましょう。太郎くん…