障害福祉サービスのこと。

グループホームに住みましょう、とか、作業所に行きましょう、とか、ヘルパーさんに来てもらいましょう、とか、精神科ではよくある光景です。そして、「手続きの意味がわからない」と、混乱する人が多いです。

これらは、障害福祉サービスと呼ばれます。札幌市(地方自治体)の事業です。相談支援事業所というところが、申請などを手伝ってくれます。入院中であれば、病院のソーシャルワーカーがとりあえず手伝う場合もあります。

で、手続きと関係者が多くて混乱するんですよね。わたしも、理解するまでにしばらくかかりました。書類ばかり多いような気がするわけです。実際書類は多いんです。

 

じつをいうと、介護保険と要領は同じです。介護保険では、ケアマネと呼ばれる人たちが関わってますね。

 

 

お金の流れを考えてみるとわかりやすいです。

 

札幌市としては、「病気や障害のある人を支援しよう」と考えています。病気や障害のある人なら、グループホームなどのお金を一部払ってやってもいい、というわけです。

ということわけで、「病気/障害がある」という証明が要ります。病気である、というだけでなく、グループホームとかが必要です、という医師の保証がいるわけです。そうでないと、お金なんか出せない。そりゃそうですよね。

 

 

病気であって、福祉が必要であることはわかりました、支援しましょう、ということになったとします。次は、どのくらい支援するのか=その人についてお金はどのくらい割りふるのか、という問題があります。重症な人には多くの支援が要りますし、軽症な人にはそこまで多くの支援が要らないと考えるのが普通です。ここで、意見書が登場します。重症度の判断ですね。これも、障害福祉サービスを利用する、と決定した時点で、主治医が書きます。

じつをいうと、単純に重症かどうかというより、生活にどのくらい支障があるか、がポイントです。生活に支障がある人の生活をしやすくするのが福祉だからです。なので、表には病気そのものについて、裏には生活の状況について、を、それぞれ書くことになっています。

 

ここまでが、医師(医療)の仕事になります。

 

 

ここからは、福祉の仕事です。

 

この人についての予算はいくらです、が、決まったとします。この予算、どこにどう使うのかが問題です。予算を作っただけでは支援になりません。

ここで、相談支援事業所の出番です。本人と面談して、たとえばグループホームに住んで作業所に通うのがよいと思います、そうすれば、こんなに生活が改善します、という計画を立てます。

この計画を立てるにあたっては、専門知識が要ります。たとえばグループホームはどういう支援をするところなのか、どういう人におすすめなのか、何をどのように改善する可能性が高いのか、札幌市が出してくれるお金はいくらなのか。グループホームに住み作業所に行きたいとして、その人の予算内で足りるのか。というわけで、相談支援事業所の中でも、「計画相談」をしてくれるところ、ということになります。

たとえばグループホームの役割とか、札幌市はグループホームにいくら払ってくれるのかとかは、どのグループホームでも同じです。なので、まずは、「グループホームについてお金を払ってください」と申請することになります。サービス等利用計画、ですね。

 

 

グループホームに住む、といっても、具体的にどのグループホームに住むか決まらなければ、札幌市はお金の払いようがありません。というわけで、グループホームや作業所に見学に行くなどして、具体的な場所を決めます。

これについては、ここのグループホームはこんな人におすすめ、という件についての知識が必要です。また、それぞれの利用者について、細かい事情まで知る必要があります。相談支援事業所の中で、計画相談をしてくれるところがそっちの役割もしてくれることもありますし、そこまで手が回らないし支援者は多いほうがいいし、というわけで、別の相談支援事業所が、具体的な相談に乗ってくれる場合も多いです。

 

これで、いろいろ利用開始、ということになります。お金を払ってもらうための手続きなので、いろいろ証明したり計画を立てたり、たいへんです。

とはいっても、この手続きをへることで、相談支援事業所という心強い相談先ができるのは、とてもよいことだと思っています。相談支援事業所にまず行ってから、病院を受診する人もいます。たいていは熱心で親切な人たちですし、治療の質が向上することも多いです。

病院を受診する前に、まずは相談支援事業所に相談する、というのも、病気や障害で生活に支障があるなら、よい考えだったりもします。