障害福祉サービスのこと。

障害福祉サービス」っていうのは、たとえばグループホームだとか自立訓練(一人暮らしの練習みたいなものです)とか作業所(就労移行支援事業所/就労継続支援B型事業所)とかのことです。病気とか障害とかある人が、その病気や障害がありつつ暮らせるようにするための、病院以外のサポートのことですね。

 

まあ、若者用の介護保険みたいなものです、というとわかりやすいかな。

…… わかりやすくないです。わかりづらい。専門用語が多すぎる。だから専門職がいるのだといえばそうなんですけど、それにしたって制度そのものがわかりづらい。書類とか専門職/役割分担とか、いっぱいありすぎなんです。

 

 

お金の流れを考えると多少はわかりやすいみたいです。とりあえず札幌市、としましょう。札幌市は、こういう障害福祉サービスに、補助金を出す立場です。

 

たとえば、グループホームに住んで、自立支援(一人暮らしの練習)をしつつ就労継続支援B型にも通いたい、とします。

そもそも、その人は障害福祉サービスが必要な人なのか、が最初の問題です。これには、医師の診断書が要りますね。重症度によって補助金の額は変わりますから、重症度についても、診断書に書かれている必要があります。

 

じゃあ次に、何が必要なのか。札幌市的には、一人ひとりについて札幌市が検討するとかは避けたいわけです。手間がかかりすぎます。というわけで外注。これが、「相談支援事業所」(たいていは「相談室」と名乗っています)です。ここで、札幌市で決められた補助金の枠内で、何が必要なのかを考える(=計画を立てる)ことになります。まあ、予算みたいなものです。

 

というわけで、グループホームと自立支援と就労継続支援B型を利用する、決まりました。

…… どのグループホーム? というのが次の問題です。札幌市も、どのグループホームかわからなければお金は出せません。施設などを具体的に決める必要がありますね。それぞれの施設などに申し込みをして、グループホームから札幌市に報告して、晴れてサービス利用開始です。札幌市からの補助金もちゃんと出ます。

 

また、たとえば就労継続支援B型で「メガネが壊れている」と気づかれたとして、「グループホーム職員にメガネ屋についていってもらおう」というとき、就労継続支援B型がグループホームに連絡できるか、って、わりと縦割りだし仲がいいかわからないし、けっこうたいへんです。いきなり主治医に連絡するのも気が重い。これについても、とりあえず相談支援事業所(相談室)に連絡できれば楽ですね。

あっちこっちからいろんな「困っています」系の連絡が来て、その人がいろいろ困っていそうだ、となれば、たとえば会議が開かれたり、「当初想定していたよりも重症で、札幌市の補助金を増やしてもらうのがよさそう」というわけで「実はもうちょっと重症で、もうちょっと多くの補助金が必要だと思いますがどうでしょう」という連絡が主治医に来ることもときどきあります。

 

 

もちろん、専門職の方々から見たらいろいろ不足もありましょうけれども、部外者から眺めるとこんな感じに見えます。

ちょっとはわかりやすくなるといいんですけどね。