こだわりと過敏とダメージのこと。

ASDの特徴としてしばしば「こだわり」が挙げられます。

以下、あんまり違和感ない人多いんでしょうか。どうでしょう。わたしのことです。

 

 

一部の単語・言い回しがどうしても許せないんです。たとえば「ドヤ顔」「パクる」など、続きを聞く気が突然消えます。「ひどい目にあう」とかも、よほどのことじゃないと使わないです。だからといって「わるい目にあう」と、言い回しを発明するのもどうなんだろうと思いつつ、いつも「わるい目にあう」のほうを使っています。

業界内でよくある言い回しの中では、「頭がまとまらない」「行動がまとまらない」「気分が沈む」「調子が高い」でしょうか。日常の単語を使っているふりして専門用語というか特殊な意味をもたせているのがどうも気に食わない、というか、自分では使えない。「あれこれ考えるけどいっこうに結論が出ない」「あれこれ行動してはいるけど本人にも周りにもどうも目的がよくわからない」「謎に気分が落ち込む」「テンションが上がる、やる気に満ち溢れる」って言ってます。このように言い換えるまで自分自身意味がわからなかったというのも関与はしていると思います。

また、わたし自身を指すのに、「私」とは書きません。公文書でも「私」と書くと違和感があってしんどいので、なるべく一人称を登場させないように気をつけて書いたりしています。「当職」とかいうことばも便利ですね。

 

 

気に食わない、だけなら、ASDじゃなくてもよくあることだと思います。好き嫌いはだれにだってありますよね。

ただ。

わたし(ASD)の場合。ダメージを受けるんです。HPが減る。明らかに減ります。

感覚過敏もそうじゃないでしょうか。掃除機の音が嫌いな人はいるけど、掃除機の音で明らかにHPが削られていく人(わたしとか)はそう多くはないはずです。

 

 

ASDであってもなくても、日常生活でしんどいこと・気に食わないこと・自分に合わないことなどなど、多いとは思います。

単にがまん、以外の方策(工夫するとか逃げるとか)を立案する目安は、この、「ダメージを受ける」じゃないのかなあ、と思っています。嫌いだろうとなんだろうと、ダメージを受けないのならいいようにも思うんです。

 

 

ダメージ受けます? と、患者さんに聞いてみたら、わりとはっきり答えが返ってきます。本人的には直感的に区別がつくことも多そうだという印象です。

ちょっと考えてみると、人生少し楽になるかもしれません。だといいな。