精神療法とは何かみたいなこと4。医師免許のつかいみち。

精神科医と心理士を比べたとき、大きな違いは

 精神科医には医師免許がある

だと思います。

 

 

医師免許でできることはいろいろあります。

そのなかでもインパクトが大きいものに、

 薬が処方できる (処方権)

というものがあります。

 

いや、薬を処方するという話がしたいのではなくって。

 

 

たとえば、

『23時には寝てください』

と言いたいとしましょう。

 

そこで、です。

「薬と同じくらい大事です!」

と言えるのは、たぶん、薬を処方できる人=医者 だけではないかと。

 

心理士さんが言ってもいいんだけど、

たぶん、迫力が違うと思います。

 

 

これ、けっこう使うんですよね。

薬を処方しつつ、の場合も、処方せずに、の場合もあります。

 

「薬の代わりの指示ですから、

 薬をのまずに治したいのであれば

 薬をのむのと同じ熱意で守ってくださいね」

ということです。

 

「へたな薬よりよっぽど大事です」

という応用編?もあります。

 

薬をのみたくないあるいは減らしたい人はたくさんいますので。

 

 

 

処方と並んで大事なものに「指示」があります。

看護師さんとか、「医師の指示のもと」行う業務が多いです。

医者が指示してはじめて行える業務って多いんですよ。

 

たとえばそのひとつが、保険適用のあるカウンセリングだったりするわけです。

医者が診察して病名をつけて、

カウンセリングが必要だと判断したら

心理士さんに依頼(指示)する、という流れになります。

 

ここで、指示する人の特権として、

 指示を変えることができる 

ということがありそうです。

たとえば診察中に「これまでの診断は間違ってて、この診断が正しい」

と思いついたとしましょう。

 

医者であれば、

診断変更→方針変更→処方や対応などなど変更

でよいのです。

 

ほかの職種であれば、

診断変更?と医者に報告

 →(もしも医者がそれを聞き入れてくれれば)診断変更

 →(医者が)方針変更

 →指示の変更・新しい指示

 →対応などなど変更

 

医者がヤブ医者だったらどうするんだろう…

→ どうしようもありません。

  優秀な周囲に裁量権を渡す度量がある医者ならなんとかなるかもです。

 

このへん、自己完結できてしまうのは

医者の有利な点?でもあり、

ひょっとしたら患者さんに害を与えかねない点でもあります。

 

ただこの話は、あくまで保険適用のカウンセリングについてであって、

民間のカウンセリングルームなど、保険適用ではないところについては

心理士さんが自分たちの判断でやってますから、

この場合、医者と心理士さんの立場はかなり近いものになりそうです。