アスペという診断5 役所や職場への診断書。

アスペという診断についてその5,ラストです。

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診断名は、仕事を休んだり公的サービスを受けたりするための診断書に必要です。

本人→親御さんなど近い人→職場の人など遠目の関係者、と話を進めてきました。今回の相手は主に、役所の人たちです。本人を直接には知らない人と、書類のやり取りをするわけです。

発達障害のグレーゾーン問題って、診断名がつかないかもしれないという問題のほかに、公的支援の対象になるんだろうかという問題があります。困っている人にはできるかぎり公的支援を受けてほしいのですけれども、多くの支援には定員があり、誰がどう見ても重症な人を優先せざるをえないことがあります。

何にせよ診断書を発行する場合は、できれば診断名がほしいです。診断名とごくわずかの自由記述欄で、申請が通るかどうか決まってしまうことが多々あります。また、アスペなら申請できるけどアスペ疑いでは申請できないサービスも多数あります。

この場合、100%の医学的確定診断に至らなくても、アスペと言い切ることがしばしばあります。アスペ由来と思われるこんな症状のためこんなふうに困っているんです、という記述に説得力をもたせることができれば、ほとんどの書類は通ります。(もちろん、定員があるなど、書類を上手に書いたからなんとかなるというものだけではありません)「書類上はアスペ決定って感じで書いておくよ」などと本人に告げることもしばしばあります。

ところで、アスペ由来と思われるこんな症状で困っています、というのは、実をいうと、本人の特性だけで決まるわけではありません。たとえば聴覚過敏だって、ものすごく交通量の多い国道沿いに住んでいる人と、いわゆる離島の一軒家に暮らしている人では、必要な対策は変わってきますよね。なので、公的サービスを申し込む際にも、本人の重症度だけではなく、周りの環境やひとまず手に入る支援(両親/祖父母/近所の人達、などなど)を加味して優先度を評価することになります。

 

以上、アスペと診断する(される)こと・診断名を告げる(告げられる)ことについてのあずさの個人的見解でした。

 

最後に一言。グレーゾーンって、「確定診断がつかないかも」という意味と「公的支援が受けられないかも」という意味の二つがあると思います。診断がついてその診断名が書類に記載され、その書類をもとに公的サービスが受けられる、というのが流れではあるとはいえ、確定診断がつくかどうかと公的サービスが受けられるかどうかはほんとうは別の話です。また、アスペであると告知するかどうかも、別の話です。分けて考えたほうが、話は整理しやすいと思います。考えの進め方については、以下の記事もご参照ください。

asph29.hatenablog.com