いま考えているからちょっとまってね、の件について

わたし、診察中にときどき、「いま考えているので少々お待ちください」と言うことがあります。薬をどれにするかとか、いろいろ考えて決めるべきことは多いのです。宿題にする手もあるけれど、外来ではそうもいかないことも多いです。

f:id:asph29:20211018053029p:plain

いや、当たり前といえば当たり前なんですけれども、どうでしょう。入力(インプット)・処理(プロセッシング)・出力(アウトプット)が、明確に分かれているイメージなのは、ASD特有なのでしょうかね。聞く・考える・話す、みたいなことです。

入力・処理・出力が分かれている人は、わたしを含め、ASDに多い印象ではあります。一部の人では、処理中に入力が入ると混乱します。ここが問題で、わたしの場合、診察中は集中力を最大に保っていますし、それなりの処理速度や作動記憶もあるので多少の割り込み入力には堪えられるとはいえ、日常生活で一定レベルを超えた入力が来ると誤作動します。

f:id:asph29:20211018054226p:plain

 

処理中のイメージとしてはこんな感じです。なんかぐちゃぐちゃになりがち。

とはいっても、「予期せぬ入力」にはそれなりの理由があります。話しているさなかに「処理中」になるものだから、相手としては「固まった」ように感じて不安になるわけです。

 

ただ、処理中に待っている相手側は、なにがなんだかわからないのが通例ですので、「いま考えてる途中」「インプット止めて」など、言えるといいですよね。これ、コンピュータの再起動画面で、「○%完了」のバーが出るみたいなものだと思うんです。止まってないよ、ちゃんと進んでいるしちゃんと終わるからね、とわかれば、待つのはずっとかんたんです。

「いま考えているのでちょっとまって」と言えてちょっと待ってもらえたら、混乱することが減って楽になる人、ASDに限らず多そうです。もし周りに話しているうちに混乱してしまう人がいたら、やってみてもいいかもしれません。