感覚過敏/聴覚過敏のこと −ASDって治るんですか(6)

たとえば聴覚過敏。困っている人は多いです。まず、わがままだと思われる。わがままだと、本人が思っているケースも多いです。

 

わがままとの見分け方。

HPが減るかどうか、です。

聴覚過敏の問題ではなく単に不愉快、という場合は、HPは減りません。

聴覚過敏の問題のときには、HPが減ります。疲れます。ぐったりします。びくっとして、逃げねば、と、身体が反応します。

 

わたしは、小さい子どもの金切り声が苦手です。地下鉄で子どもが叫んでいたら、隣の隣の車両くらいまで逃げます。あれはしんどい。「もしもお母さんが気づいたとしたらショックを受けるのではないか」と思って逃げずにいた時期もあるのですけれど、あまりにつらくて場合によっては目的地で使い物にならなくなるので、最近は逃げることにしています。というか、子どもを見かけたら、万が一を考えて隣の車両に移ります。次の瞬間叫びだすかもしれない、というわけです。外食先など逃げられないときにはしんどいですね。なるべく早く帰るようにはするのですけれど。

 

子どものころは、母親が掃除機をかけ始めると逃げていました。家電量販店も、ずっといると疲れます。30分が限界かなあ。できれば10分以内で出たいところです。光もつらいけど、なによりうるさい。

 

そういうの、「みんながまんしているんだ、わたしは修行が足りない」と、ずっと思っていたんですよね。多くの人は、掃除機ではダメージを受けない。それに気づいたのは、大人になってからでした。

 

まず、他の人はともかく、自分はHPが減る、と認識するのは、大事なことのように思います。他の人も我慢しているのだから自分も我慢しなければ、というわけではありません。他の人はたぶん、我慢してない。我慢しているとしても、我慢のレベルがずっと低い。

たとえていえば、です。温泉で、ちょっと熱かったとして、皮膚がすりむけている人は入ると(少なくとも最初は)ものすごく痛いですよね。そんな感じ。

 

ただ、この聴覚過敏、ノイズキャンセリングヘッドホンなどである程度は予防できるとはいえ、ものによってはシャットアウトしづらいです。HPが減る状況を特定してそれらを避けることと、自分と周りがその件について理解することが、当面できることかなあ、とか。

 

ちなみに、うつ病などでエネルギーが減ると、聴覚過敏などはものすごく強くなるので、調子の悪い人はまず治療しましょう。これ大事。