あずさのこと。抱かれるのを嫌がるこどもでした。

わたし自身発達障害(アスペ)なわけです。実例として、自分自身のことを少しずつ書いてみようと思います。時系列はあとで整理する(つもり)ので、書きやすいところから始めますね。

 

こどものころのことから始めましょうか。

 

抱かれるのを嫌がるこどもでした。いま思うに、ひとつは触覚過敏のせいでしょうね。触覚過敏はいまでもあります。特定の材質のシャツしか着られないなどです。しかしそれだけじゃないようにも思います。触り心地の問題だけじゃない。抱かれるのが恐怖だったんです。両親が自分のことを大事に思っていることはわかっていました。良かれと思っていろいろなことをしてくれるということも。しかしそれでも怖かったです。身がすくむ、というのでしょうか。触られると固まる。両親には申し訳なかったな、といまは思います。こちらも仕方なかったとはいえ、です。大きくなって、女友だちにハグされるなんてこともありました。ものすごく苦手でした。

 

いまでも、抱っこされたときを思い出すと一瞬固まります。いま思うのは、自由がきかなくなるという恐怖だったのではないか、ということです。動きが他人のコントロール下に入ってしまい、次の瞬間どうなるか予測ができない。意地悪されたわけでもなんでもないのです。単に、自分の動きが封じられて、他人の動き(たとえば揺らすとか)によって自分の動きが決定されているということそのものが怖いというだけなのです。水におぼれるのと似ているかもしれません。何をどうやったら浮かび上がれるのかわからない。コントロールを失っていますよね。あれです。繰り返しますが、虐待されたとかではありません。その後悪いことが起こると直感して嫌がっていたとかではないのです。

実際どのこどもだって、お母さんに抱かれたら自由は失っているわけです。それでも多くのこどもは抱かれると喜びます。自由を失う恐怖よりも、いま自分を抱っこしているのは自分のお母さんで、自分をかわいいと思って抱っこしてくれているのだ、という喜びが勝つのだろうと思います。

 

かわいいと思ってくれている、ということが頭ではわかっていても、抱っこされる恐怖には勝てない。アスペは情緒的交流が苦手だといいますよね。このころから明らかだったのかな、と思います。